散歩、雨宿り、傘、笑顔





 声が聞こえて、顔を上げる。

 大切な人が。

 傘をさして、そこに立っている。




 失われた人を、思って。

 不意に泣きたくなって。


 駆け寄った大切な人と。

 一緒に雨の中、傘をさして並んで。





 深呼吸して、傘を握り締める。





「ねえお父さん、あたしあの人のお墓参りに行きたい」

「なあ恭ちゃん、ちょお遅いけど、明日墓参りいこか」






 祈るのはどこでも出来るけれど。

 ここからでも届くかもしれないけれど。


 墓石に、意識までが眠るとは限らないけれど。






 さした傘が、その祈りを遮らないように。

 あなたの身体が眠るその場所まで行って。








 笑って、言葉を伝えるために。














――――End.

 
で、プラスアルファ。

……。

なんだろう、すみません。何を書きたいのか良く分からなくなってきた。


思い出すのは楽しいけど、刺さるように辛いんですよね。
ちょっと実体験込みなので切ない。です。



なんかうかつに書いたおかげでプチ連作みたいになってしまった(苦笑)。
ここまでお付き合い、ありがとうございました。

プロット甘いまま勢いで作ったので、粗があったらすみませんー(ぺこり)。