世界で一番やさしい嘘        −Yutaka Himuro−





伝えることも出来なかった



あの時感じた違和感
お前さんが気づかなかったはずは無いのに
最後まで何も言わなかった
言い訳も 否定もしなかった



だから 黙ってたんだけど



頼りにしていたと
信じていたんだと言えば
どんな顔をする?



なあ…森川
どうしたら 届くんだろうなぁ









――――End.

 
実は所長以上に難しかった氷室さん。
モノローグでも余り語らない気がしたので、今回は短めです。
長台詞がほとんど無いし、一人称が良く分からない。
(小田が確認し忘れているだけだったらごめんなさい)
モノローグで「おじさん」と呼ばせるわけにも行かず…。

上遠羽で伊佐山さんの話を聞いてから、氷室さんは多分すぐにその違和感の正体には気づいてたんだと思います。
信じてて、だから割り切れなくて。
恭介に退路を塞がれて森川に銃を向けられるまで、多分信じてたんですよ。
…いや、向けられても、かな。
切ない二人です。信頼しあってただろうから余計に。