世界で一番やさしい嘘        −Jun Kanoh −





夜も 昼も わたしにはいつも同じ景色
手に触れる感覚や
耳に届く音の波
それが わたしの全て

不満なんて何一つないし
不幸だと思ったことなんてない


けれど
あなたと出会って初めて
わたしは世界を見たいと思った

触れるだけでなくて 聞くだけでなくて
全てで世界を感じたいと
そう思ったの


真神さん

あなたと出会ってから 見えるようになったものが一つあるんです
まだおぼろげで 形を成してないけれど
もう少し あと少しで 見えそうなんです


だから すこしだけ私に光をください


あなたの笑顔を見ることが出来たら
その時に わたしはあなたに本当に触れられるから

それまでは

このことは 私だけの秘密…です









――――End.

 
潤ちゃんです。

盲目の少女、という設定ですが、目が見えないことを嘆くシーンが一度も無かったように思うんです。
…私が見落としているのでしたらごめんなさい(土下座)。
見えないことを悔やむなら、やはり恭ちゃんがらみかなあと。

正統派ってイメージがあります、潤ちゃんには。
どこまでもまっすぐ。
変化球とかは投げないと思います。気づいてても必要と有れば表面に出さないという面はあるでしょうが(タイピン渡し参照)。
で、芯が本当に強いから、恋愛に依存するような女性でもないと思うんです。
なので、今回はこういう嘘になりました。…イメージ崩してないかな。どきどきです。

あ。彼女が「見える」と言ってるモノは、まあ比喩みたいなもので、実際に見えてるわけじゃないです。そこはご了承ください(ぺこり)。