世界で一番やさしい嘘        −Kyuzoh Kashiwagi −





いつ 死んでもおかしくないと思っておったよ


隠居したとはいえ
己の存在の価値を過小評価するつもりは無いからな


いつ 死んでもおかしくないと思っておったから
お前達のために準備だけはしておこうと思っておったんだが



だがなあ



この日常に埋没する危険を
この日常は忘れさせてしまうなあ


おかげですっかり準備を忘れておったよ





なあ 真神くん


放っといたら何しでかすか分からん奴ばかり抱えてしまったし
このままだと 君にばかり苦労をかけることになりそうだ


年寄りにはちょっとこたえるが
やりのこした準備のためにもう少し 生きてみるかな









――――End.

 
ご隠居ー!
難しかったですご隠居!!

どこが嘘やねん、というところですが。
この方曲者なので。


準備忘れたっていうの、嘘。



だってご隠居がその辺ぬかりあるわけないじゃないですかー。
絶対いきなり自分が死んでも大丈夫なくらいには、成美さんのことも哲平のこともちゃんと手を回してますよ。


変則な「嘘」でごめんなさい。ご隠居モノローグでさえ本音だしてくれないんですよー!!


あ、恭ちゃんのことも、多分ですが鳴海一家のことも手を回してるかと思います。
過保護を憂いつつ、結局過保護なご隠居だいすきです。