世界で一番やさしい嘘        −Yui Kasugano −





その姿を見つけた時に 助けてくれるって思った


悪い人じゃないことは良くわかってる
だから 困らせたくなかった
あたしがそれを口にすることで 板ばさみになるかもしれないって
そんなことばかり考えて

でも 本当はそんなんじゃなくて
信じることが出来なかったのかもしれない
あんなにいい人なのに
もしかしたら信じてもらえないかも知れないって

それより 何より
…あたしひとりで頑張らなきゃいけない気がして


…ねえ 美幸ちゃん
あたし 信じてもいいかなあ

真神さんがあたしのやってることに気づいたら
それでちゃんと話聞いてくれたら

真神さんが美幸ちゃんを助けてくれるって
信じても いいかな?


それまで…もうちょっとだけ
一人で頑張ってみるから

それで…許して、くれる?









――――End.

 
唯ちゃんです。ああ、各話ヒロイン連続。

彼女が「話さなかった理由」を私なりに。
恭ちゃんが自分と対する立場として現れたってのもあると思うんですけどね。
なんとなく。

自分が信じてた人が不意にいなくなって、混乱してるだろうなって思うんです。
その人を信じようとする余りに、周りが見えなくなっててもしょうがないんじゃないかなあって。
人の死に触れた直後って、やっぱりキツいですからね…。

…ああ、なんか暗い。うーん。