世界で一番やさしい嘘        −Kyosuke Magami −





破裂しそうになったこともあった
 
心配してくれる人たちの気持ちも
信頼してくれる人たちの気持ちも
託してくれた人たちの願いも
 
それがどれだけ暖かくて 心地よくても
この身に受けるには
 
 
傷も 痛みも 優しさも 俺には大きすぎたから
 
 
 
 
押さえ切れなくて膨らみすぎた想いに
膝を折りそうになる事だって一度じゃなかったけど
 
この身に受けた傷の分だけ
零れていった命があること
 
それだけは忘れちゃいけないって
心臓の奥から声がするから
 
 
 
だから俺は自分自身に嘘をつくよ
痛くないって暗示をかけて 全てに目を閉じて
 
 
この痛みを背負って
その命を背負って
たくさんの想いを背負って
 
何一つ捨てずに 笑って立ちあがれる日が来るまで
 
 
もう少しだけ俺は 嘘をつき続ける









――――End.

 
……嘘、ラスト。恭ちゃんです。
恭ちゃんの立ち直りの速さと言うか……。
ゲーム内で(特に終盤)無理矢理押し込めて動き回るあたり。
あのあたり、辛くないわけが無いのに、描写が淡白なのがすごく気になったんです。
 

このへんは嫌な考え方をするとゲームの都合ということになるんでしょうが
(主人公がずっとうじうじしてても話すすまないし、そんな主人公だとやってても辛いし)、
その考え方をあえて見ないふりしたら、どう考えられるのかをずっと考えてました。
小田なりの恭ちゃん結論。ごめんなさい暗くて。

 
潰れる前に立ちあがることを考える恭ちゃんが好きです。と、前向きな方向へ持ってきてみたり。
でもこの考え方だと、きっと一生嘘をつきつづけて行くんだろうなあ。
……少しでも休める場所、見つけてきてね。恭ちゃん。
 
 
ともあれ。
MPサイト開設時からずっとお付き合い頂いていた「嘘」も、今回で完結です。
本当は全員分やりたかったんですが、無理。無理だよ。
でも予定よりは大分増えました。(予定に各話ヒロインはいませんでしたし……)

 
お付き合い、本当にありがとうございました!